#読書感想文 #4 共感力 / 著・ハーバード・ビジネス・レビュー編集部
【人はどんな時に人を信頼するのか。どんなスタンスで臨めば人間関係をよりよくできるか。そしてその共感がマーケティングにどう役立つか。『みんなで』いい結果を出す為に、大切なことが書いてある。】
おすすめ:5点 (5点満点中)
▽本のまとめ
私の人生で1人だけ、人として、仕事人として、尊敬と信頼を抱いている人がいるのですが、この本の内容はまさに、その人の話を読んでいるように感じました。(まさに、この本を紹介してくれた本人なのですが。)
事細かに『私がなぜ彼を信頼しているのか』理由が書いてあったのです。
また、マーケティングにおける『共感』の役割についても実例が参考になります。
人として、チームとして、『みんなで』いい結果を出す為に大切なことが書いてある。100ページ強と読みやすくいですから、ささっと読んでみることをお勧めします。
▽どんな人にオススメか
この本に書いてあることは『人を信頼させるテクニック』でなく『人が信頼を感じることはどんなことか』と『どんなスタンスで臨めばいいか』です。
だから、この本を読んで、他者と信頼関係を築く術を学ぶことは、組織のマネジメントに悩む人に限らず、若い人も、学生も、家族関係にも役に立つと思います。
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▽三つの気づき
1.
同じ境遇の経験(育児など)があるからといって、そのことに対して寛容になれるわけではない。
2.
3.
ダライ・ラマには余計な制約がない。
誰かに媚びる必要も、政治的な戦略を考える必要もない。だから、本当に平等な視点で、正しい判断と行動ができる。我々はそうではない。なにが思考を偏らせているか、自問自答をすることは大切なのだ。
▽具体的な3つの行動
1.怒りを感じたらコントロールしよう。
感情は反応だ。時間をとって客観視し、相手の立場に立って、冷静に判断し、許して導こう。そうすれば彼は進化する。
2.目指すべき傾聴レベル 3〜6
相手の言葉の本質を理解するために、アイデアを捉えて質問し、問題を述べながら、理解が正しいことを確認する。
非言語情報も意識して、相手の感情を理解し、全体が明らかになるような質問を投げかけ、その人の視点が新たになるようサポートする。会話をのっとったりはしない。
3.成功はシェアしよう
以下、個人的なメモ
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思いやりをもって部下に接することで、部下の信頼、尊敬、忠誠心は間違いなく高まる。
怒りに任せた対応は、信頼を損なうばかりか、部下のストレスを高め、創造性を阻害する。
本当の傾聴スキルは黙って聞くことでも、おうむ返しをすることでもない。
1内容をよく理解して、良き質問をし会話を活発にするやりとり
2相手に肯定感を育むようなポジティブなやりとり
3協調的、時にはサポートするような聞き方
4.提案、フィードバックを投げかける
5.育児経験のある上司とない上司
実は育児経験のある上司の方が、自分の辛かった経験を過小評価し、乗り越えた事実から共感しないことが多い。相手の立場に立つというのも、自分の固定概念を捨て、共感の差異を認識しなければならない。
6権力は横柄になる
権力を持った時こそ、他人や部下をケアし、尊重しよう。
権力を持ち横柄になりそうな時、自分の感情、行動を振り返ることは自制につながる。共感、感謝、寛大さを軸に他者を平等に尊重することだ。
7
▽共感の実践
・会話ではいくつか質問を投げかけ、相手の言葉の重要なポイントを、自分の言葉で言い換える。
・楽しそうに話す。体で聞く。
・問題を抱えた人には意見する前にまず共感する。
・誰かと会う前には時間を取り、どんな状況か考える。
▽感謝の実践
・心を込めて感謝することを、コミュニケーションの一部にする。
・よい仕事をした同僚にはそれを取り上げて評価する。
裏方のスタッフ含めて、全員の価値を公に認める
▽寛大さの実践
・時間を少々さき、一対一で話す
・重要な職務を任し、褒める時は超褒める
・注目を独り占めしない。チームの成功に寄与した人を正当に評価する。
8.製品、サービスも共感から生まれることが多い。統計的な市場データではなく、深い質的データから得られる。人間的であり、故に曖昧でリスクに満ちている。
9.製品における共感力
多様な人材・専門家を招き入れ、憶測ではなく調査に基づいて、目標を実務的なものにして施策を行おう。
▽職能横断チームの役割
ユーザーとの共感は、ユーザーの求めていることや、感じていることを理解する上で必要だ。
職能横断チームは多様な視点で、専門性をを持ちつつ様々な製品体験ができ、重要視される。
▽努力よりも、ユーザーの成果を重視する。
いくらツールを使っても、ユーザーの成果がでなければ意味がない。
10.
共感できる量には限度があり、誰かと誰かの、トレードオフである。
身内で固まると外部への共感は薄れてしまう。時には不正や攻撃をする可能性すら高める。
いくら疑似体験をして妊婦になっても、盲目になっても、実際の当人たちの認識と同じにはならない。誤認したり過大評価することが大半である。
『視覚障害者にとって目が見えないとはどういう状態か』ではなく『自分の目が不自由だとすればどんな感じか』しか解らないのである。
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ダライ・ラマは何の制約も受けない
本当に人類に重要なことだけ取り組める。
自分の視野を狭めているものが何かを考え自問することは大事。
そして偉人から物乞いまで彼は接している。
そして、全ての人に慈悲を持つ。
うまくやる、よりよい行い。
自分で変えられなくても、自分の次の人に託すことが大切。